2005/11/20

最後の物たちの国で

4560071314最後の物たちの国で
ポール・オースター 柴田 元幸 Paul Auster

白水社 1999-07
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アメリカの作家、ポール・オースターが大好きなのですが、この本はずっと積ん読だったのです。読み始めたら一気に読んでしまいました。
すべての物や人や秩序が崩壊していく寸前のある国に来た主人公の絶望と希望を描いてます。どこかの国やある人々にとっては今まさに直面しているかもしれない、絶望しか持ち得ない世界でも、そのなかではささやかな幸せがあったり、希望を持ったりする。どのような絶望の中にでも希望を見いだす、(どうしようもなく)人間とはそのように出来ているし、それを静かに、そして願いを込めて描いていくのがオースターだと思うのです。
そのオースターのテーマが、この本では女性の一人称や名のない国を舞台に持ってきたことで、より明快に伝わってくるものがあると思います。

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