2009/03/26

CD評:I LOVE UNICORN~FAN BEST~



ファン投票によるベストらしいけど、その曲順が完璧に練られている為、アルバムとしての統一感が素晴らしい。
サラリーマンの悲哀から、プータローの歌に流れていく1〜5曲目まで前半の曲順はあまりに見事。その後の路線は違えども「Maybe Blue」に代表される1st.アルバムですでに若き奥田民生のメロディーメイカーとしての才能は突出していた。『服部』収録曲の4曲、その一見コミカルな詩世界はかなりの教養がなくては簡単に書けるモノではない。圧倒的な曲作りの才能を見せつける後半。クライマックスに相応しい無常観を称えた「すばらしい日々」以上にラストに相応しい曲はあるだろうか。音の粒立ちもとても良い。
本当に才能あるミュージシャンはすべて早熟であるし、何よりも老いを早く求める。ユニコーンもそうだった。
その曲作りやDVD演出など、今感じるのは「なんて大人びていたバンドなんだ」という事。
リアルタイムで聴いていたゆえに当時は等身大の気分で聴いていたが、実は希有な才能の偉大なバンドであったことに今回のベスト盤で思い知らされた。


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